https://www.youtube.com/watch?v=3OLLHMdnGnw&list=PLydHH_VW-qhH1kGKPxh0JAq1KQQwoGOB5&index=22
このサイトはデンマークのサプライヤーがスポンサーになっているようで、多くのビデオはデンマーク語で何を言ってるか理解できないのですけど、このビデオはたまたま英語でした。アドバンスト•スペイキャスティングのタイトル通りエアリアル系の様々なテクニックが解説されています。この方のスペイのスタイルはエアボーンアンカーを多用するタイプで、自分のスタイルに近くとても親近感があります。あまり水面を荒らしたくないようで、ペリーポークの説明でも、ボディターンを利用して出来るだけ静かにやりましょう、なんて言ってましたね。水面に白いマウスが走らなくても、キャスティングは出来るんだ!と言うことで典型的なヨーロッパのスカンジ系キャスターなのでした。デンマークって、スカンジナビアンなわけで当然か。ペリーポークもロールキャストも、とにかくエアリアルでして、水面にタッチしないスタイル。私は品のあるこのヨーロピアン•スタイル、案外に好きかも。
https://www.youtube.com/watch?v=IsJroK3v15U&t=1748s
日本人のアマチュア•フィッシャーのチャンネル。お爺さんのお面を被ったスペイマスターが独自の視点で、スペイキャスティングを解説してます。数ヵ月前に見つけ、なかなか面白くて一気に過去動画を全て観てしまいました。スペイキャスティングに関してお爺さんの言ってることはシンプルで、とにかくロッドのバット部分を曲げろ!なんですね。バットを曲げれば、勝手にラインは吹っ飛んで行くと言うことで、そのための方法をいろいろなアプローチで説明してくれてます。ロッドはテーパーが付いてますから、通常のキャスティングもバット部分はある程度曲がっているのですけど、お爺さんの主張は最大限に曲げることでその飛距離は加速度的に伸びると言うもの。ただこのキャスティング方法は、バットを曲げる動きが従来のスタイルと異なる動き(横移動ではなくて回転を伴った上下移動)のため身体に染みついたマッスルメモリーを上書き修正する必要があります。私の場合、最近やっとその感覚を理解し始めたところですけど、飛距離はかなり伸びましたね。興味もある方は是非、参考にトライしてみてはどうでしょう。マイナス点としては、このお爺さん、おしゃべり好きなためか、動画の長さがどんどん長くなってしまっていること。動画一本が50分とか普通なので、もう少し整理して短く欲しい。
https://www.youtube.com/watch?v=51Yp3Shktyc&t=298s
最後に日本人プロ•インストラクターによるスペイ初心者向けのチャンネル。岡田さんのチャンネルはスペイキャスティングに必要な動きをステップバイステップでとても分かりやすく紹介しています。リフト、スィープ、ローンチ、アンカーポイント、Dループなど用語解説から、その一連の動きを初心者が混乱しないようにシンプルに解説してくれます。岡田さんはノーマルのシングルハンドのためのキャスティングも教えてますし、スペイに関しても、スカンジ系、スカジっト系などラインの長さに関わらず幅広い技術を持っており、偏りがないのが素晴らしい。Youtubeでは時々アンダーハンドのキャスティングに特化したビデオなどをよく見かけますけど、ラインやティップの長さが変わったらこの投げ方はどう対応するの?不思議に思うことがあるのですよね。スペイキャスティングは、基本的な動作プロセスは共通させてラインの長さにより微調整出来るものにすべきだと思うのですよね。これからスペイキャスティングの世界を覗いてみたいという人向けのチャンネル。
今回、私の視点から有益だと思われるチャンネルをいくつか選んでみました。スペイの本家、イギリス人も多くのビデオをアップされてますが、ロングベリーでサーモンを狙うといった自身の釣り環境とかけ離れていると言う理由でピックアップしませんでしたし、Loop系のアンダーハンドに限定されているものも使用するギアの違いから避けました。その他、プロのガイドから素人に毛が生えたレベルの人まで、玉石混交なのがYoutubeの世界。自分の目指すキャスティングと現状の実力を認知して必要な情報を選び取ることが出来れば、Youtubeはとても便利なツールになり得ます。でもAIが勝手にチャンネルを選んでドンドン提示してくるのでその情報中毒化に注意しましょう。(自戒を含めて)
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Youtube内のフライカテゴリーは百花繚乱でありまして、ギアのレビュー、釣り場の紹介、フライのタイイング、キャスティングなどあらゆるフライフィッシングに関する膨大な情報が世界中に発信されてます。今回はスペイキャステイングに特化したチャンネルで、私がサブスクライブしていつもフォローしているものを紹介してみようかなと思います。対象としては初心者ではなくて、現場ですでにスペイキャステイングを使っている中級者以上の方でしょうか。初心者の場合は、それ用の完全ステップバイステップ形式のビデオがよく見かけますので、その手の検索を掛けて見るのが良いかと思います。私も初心者向けに良いなと思ったチャンネルがありますので、後々紹介しますね。
注意:ページの中にビデオを埋め込みたかったのですが、エディターが古い為かうまく対応出来なかったので、リンクにて対応させていただきます。申し訳ありません。
https://www.youtube.com/watch?v=vt6LRGW7R08
このJudiおじさんはアメリカ在住のティムさんという方なのですが、ロングベリーからショートのシューティングヘッド、シングルハンドロッドからダブルハンドロッドまで、スペイに関するキャスティングなら何でも来い!という強者。チャンネルの形式としては短いワンポイント解説的なものが多いかな。この方、利き腕でない方を上手にしても、利き腕上手と同じように投げられるのですよね。私の場合、反対側でも利き腕の位置は変えずにリバースして投げますけど、彼が言うには、利き腕でない方を上手に練習すると絶対に有利なので練習すべし!と力説されております。ちなみに私、ちょっとやってみましたが、全然ダメでした。
今回、紹介するビデオはシングルハンドロッド#6でOPSTの200グレインを投げてるものなのですけど、素晴らしいの一言。私のシングルハンドロッドに置けるスペイキャステイングの理想形でして、何度も何度もくりお返しこのビデオを観ております。コンパクトにまとめた右肘の使い方、シューティング時のロッドストップによるタイトループ、スネークロールからのタッチアンドゴー、ダブルホールを効果的に入れての飛距離アップなどなど。飛距離はどのくらいかな、デカいフライを付けていながら25から30メートル近くは飛んでますよね。私がシングハンドロッドでスペイキャステイングを練習するきっかけになったビデオ。ちなみに使ってるロッドはチャイナ製Maxcatchの35ドルのチープなロッドでして、まさに弘法筆を選ばずなのでした。私はMaxcatchのロッドは持ってないのですけど、ちょっと使ってみたくなりましたね。
https://www.youtube.com/watch?v=z5OmMYOY9iE&t=118s
ご存知、OPSTの公式チャンネル。エド•ワードを始め契約プロなどのレヴューやキャスティング解説など様々なビデオを収めています。私が今回取り上げた方はベン•ポールさんというOPSTのスタッフで、なかなかの凄腕。定番手の短いシングルハンドロッドを使ったキャストは一見の価値有りです。ビデオを撮ってる場所は、どうも私の地元バンクーバー島ではないかと思われます。ロケーションが何となくカウチンリバーっぽい。それにしても#3のショートロッドで飛ばしますね。そこそこのサイズの川ですけど、バックスペースのない場所で、あらゆるポイントにフライを送り込んでます。キャスティングのスタイルも、ダブルスペイ、シングルスペイ、オーバーヘッドと状況に応じて使い分けています。フィールドの状況がまさに私の状況とかぶっているためか、釘付け状態。私の中では、このビデオの再生率も相当高いです。
https://www.youtube.com/watch?v=L32NXOFVM3w
温厚な感じのピーター•チャールスさんはカナダ人。この方はかなり昔からYoutube活動をやってるようで、そのコンテンツの数は膨大です。特にキャスティングに関しては、スペイにしろオーバーヘッドにしろ、先生レベルでして、もちろん多くの方に教えているようです。私はスペイキャスティングのコンテンツを集中的に拝見させて貰ってますが、示唆に富むものが多いですね。このビデオでは、シンクティップを使用の際、プレキャストして一旦ラインを水面上にセットする動作は要らないよ、と説明しています。え、そうなの?とびっくり。リフトの際にノーマルよりも高く上げてシンクティップを水中からゆっくり引き上げて、そのままスィープに入るだけ、と言うものでした。口で言ってしまうと簡単ですが、スィープの距離を稼げないので、ちょっと慣れないとうまくDループを形成出来ません。そのうち体の前後の重心移動で、スィープの距離を稼げることが分かり、出来るようになりました。これ、凄く地味なテクニックですが、プレキャストが必要ないと言うのは、凄いことだと思いますね。例えばシングルスペイとは言え、実際はプレキャストを含め2プロセスあったものが、正真正銘のシングルになるわけです。これはペリーポークやスナップTなどにも応用できますから、ダブルスペイを使う人もその恩恵を受けられます。
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当たり前のことですけど、フライラインの選択は、自分が通う川に最も適したものをフィッシャーは選んでいると思います。私は北米西海岸の島の中というやや特殊な環境で、トラウトやサーモンをターゲットにしていますが、フィールドの最も大きな特徴は川幅の狭い小河川が多いということ。対岸まで50メートルを超えるような釣り場は数えるほどしかありません。過去10年ほどの釣りを通じて、キャスティングの距離はほどほどで良い、その代わり取り回しが楽なショートラインがプラクティカルである、という結論に至っています。ダブルハンドか、シングルハンドかという選択については、今まではトラウト、サーモンともスイッチロッドを使用することが多かったのですけど、最近は湖やビーチでのカットスロートをターゲットにしたシングルハンドを想定して、キャスティングの練習をしています。
スペイ用のショートラインと言っても、大きくスカンジ系とスカジット系があります。対象魚が冬場のスティールヘッド以外はスカジット系のラインはオーバーパワーで、デリケートな釣りが難しくなります。サーモンの釣りでは案外に流れの遅いフラットな水面で釣るケースも多く、水面にセットしたラインを剥がしてキャストの推進力を得るスカジットキャスティングではサーモンを脅かせてしまいます。ではスカンジ系のラインがベストかと言うと、これがノーマルのフローティングではちょっと無理なのですよね。サーモンの釣りはフライを沈めることがまず基本になるので、シンキングに対応したラインが必要になります。今でこそ、それぞれのシンクレートに対応したスカンジラインが多く発売されていますが、ちょっと前まではRIOのスカンジボディ23ftに10ftから15ftのテーパーの付いたシンキングリーダーを付けるというのが、唯一の選択肢だったのです。
このラインシステムは、川の深さや流れの強さによって5種類ほどのレートの違うリーダーを簡単に交換、使用出来るので、釣りの現場ではとても便利でした。リールのスプールを何個も持ち運ぶ必要が無いのが画期的。私も暫くこのシステムで釣っておりましたが、概ね満足していました。唯一の不満は、ラインがもう少し短ければ扱いやすいのに..と思ったことです。川幅の狭い島の状況では、サーモンはほんの数メートル先にスティしているケースも珍しくありません。ショートなスカンジラインといっても、リーダーを含めて32ft、ティペットも入れると37、8ftになります。通常の川では問題ない長さですが、狭い川幅のスポットでフライをリトリーブする際、ラインがロッドの中にかなり巻き込まれるケースも多くなります。それをまたロッドから出してセットするのが、面倒な場面が多々ありました。
前置きが長くなってしまいましたけど、ここからOPSTのフライラインの話。フライメーカー各社がスカジットラインを多数販売するようになった頃、新しい参入メーカーOPSTからCommando Headという超ショートシューティングヘッドが発売されます。最初に驚いたのは、通常のスカジットラインの比べてロッドに適合する重さがかなり軽いという特徴を持つということでした。軽い理由はもちろん短いということもありますが、1フィート当たりのラインの重さが他メーカーの商品に比べて重いためという話を聞いたことがあります。ここで初めてショートシューティングヘッド=スカジット=スパゲッティのような無駄に重いライン、という図式が崩されました。最初に使用した際にまず感じたことは、このラインは通常のスカジットラインというカテゴリーから大きく外れているのではないか、ということです。
実はこのラインの性格を決定するのは、ティップを選択するユーザーに委ねられるということです。ラインのテーパー部分を大胆にスパッとカットしてしまったということで、テーパーに関しては使用目的に合わせてユーザーが好きに構築してね、というおまかせスタイルになってます。例えば冬場のスティールヘッドの釣りには、重いフライをキャリーさせるためにある程度の重さのあるテーパーのないレベルティップを使用することでスカジットラインとして機能します。またある程度の静かなラインの着水、綺麗なターンオーバーを求める場合は、テーパーの付いたVersileaderやPolyleaderを使用することで、ショートスカンジラインという性格が強くなります。これはヘッド部分のボリュームを極力抑えることで、可能にさせたラインの拡張性と言えます。
私が最初にこのラインを使った時の印象は、RIOのスカンジボディのテーパー部分をカットしたものに近いといったものでした。ライン開発のベースには、スカジットではなくて、このショートスカンジという概念がまずあったのではないかと個人的には想像します。ショートスカンジとスカジットのライン特性を共生させるためにヘッド部分のデザインをじっくりと詰めて行ったという気がするのですよね。私のこのラインの使用目的としては、トラウト、サーモンとも主にテーパーの付いたVersileaderと組みあわせることで、ショートスカンジ的な性格に仕上げています。流れのある場所である程度重さのフライを沈めスィングさせることも可能ですし、止水に近いフラットなプールでサーモンの群れの頭上にフライを静かに着水させることも出来ます。先に書いた私の釣り場環境では、このライン以上に扱い易いラインは今のところ見当たりません。
さて、このラインの拡張性は、実はキャスティングに於いても発揮されています。ペリーポーク、スナップTなどウォーターボーン•アンカー系ダブルスペイとシングルスペイ、スネークロールなどエアボーン•アンカー系のスタイルをそのティップの種類によって選択できます。私は現場ではシングルスペイのタッチアンドゴーを多用することが多いですね。OPSTのエド•ワードはビデオでショートストロークのダブルスペイを解説してますけど、個人的には通常のスペイキャスティングのスタイルで問題ないと思ってます。ただしラインがかなり短いため最初は慣れが必要で、アンカーが抜けないようにコンパクトなキャスティングを意識する必要があります。慣れてくると水面の高さとアンカー、キーポジションの場所の関係がマッスルメモリーとして会得できるようになります。キャスティングの飛距離ですけど、#6/7のスイッチロッドでバッチリとラインが適合すると35メートルから40メートル近く飛びます。(ランニングラインはモノフィラ)ほんとにぶっ飛んで行くという感じなのですけど、力まずにリラックスした状態で投げれば、ダンゴにならずに綺麗にターンオーバーしてくれます。この飛びの気持ち良さは癖になりますが、実際の川では魚はもっと近くに居ますので、そんな飛距離は必要ありません。
このラインの欠点を強いて挙げるとすると、前述の短いラインでのキャスティングの慣れ、それとそのラインの短さと軽さゆえに、ロッドとの適応がかなりシビアになってくることです。OPSTでは一応ラインチャートを提供していますが、ロッドメーカーや個々のロッドアクションの違いでかなり、適合ラインが変わってくるようです。ラインチャートは現行のファーストアクション主体のロッドであれば、一応目安にして構わないと思います。ただし、実際は25グレイン軽い方がよく飛ぶとか、25グレイン重い方がしっくりくるといったことが頻繁に起こります。例えば昔のSAGEのミディアムアクションのシングルハンドの場合、適合ラインよりも50グレインも軽いものがベストでした。そんなわけで私の場合、ロッドとラインの適合を追求していった結果、結局、25グレイン刻みでかなりのラインを揃えてしまうという結果になりました。トラウトからサーモン、シングルハンドからダブルハンドと適合させるロッドも多いので、仕方がないのですけどね。
本日はOPSTのラインについて、その使用背景から特徴などをちょっと書いてみましたが、このラインは日本の河川にもマッチしているのではないかと思います。導入検討の方の手助けになれば幸いです。
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さて、ここ3年ほどはHardy Marquis Salmon No.2が大型サーモン用のメインだったのですけど、今季Hardy Bouglé 4”を導入したのでその使用感などのレヴューを書いてみます。Hardy BougléはHardy Perfectと内部構造は一緒なので、外見のデザインが少し異なる兄弟モデルと言えそうです。4インチということで、ラインアップの中では最も大きく、やはりサーモン用ということになっています。ただ実際のサイズを測ってみると、外部のピラー部分を含めて4インチで、スプール部分は3.5インチなので、Marquis Salmonよりもかなり小ぶりに感じます。本体の重さもMarquis Salmonよりも軽く、7/8のスイッチロッドではバランスがピッタリでした。今季スークの初めから使っていたのですけど、あまりに使い勝手が良かったせいか、そのまま付けっぱなしで結局他のリールは使いませんでした。まず、ファイト中のドラッグコントロールは巻き手の反対側のプレートに指で当てることでブレーキングするわけですが、最初から馴染んでいたように何の違和感もありませんでした。軸の幅がMarquis Salmonよりも大きく、1.5インチほどあり厚みを感じるのですけど、自分の手にはこの幅がちょうど良くて、リールを手で包み込むと自然に人差し指と中指が反対側プレートに当たります。アルミ研磨の具合もややマットでサラリとした感覚があり、スッとブレーキングに入れる感触。Marquis Salmonは構造的にリムが外側に出てますから、手の平をリムに当てる感じでブレーキングさせます。このあたりはやや所作が異なるのですけど、どちらか一方が扱いやすいとか、別にそういう事はありません。単に慣れの問題だと思います。
リールのラチェット音がサーモンとのファイト中の気分を盛り上げる一因であると書きましたが、この二つのリールはクリック部分の構造が似ているにも関わらず、そのサウンドはかなり異なります。Marquis Salmon は比較的大きめな金属的な響きがするのに対して、Bougléは一枚薄いオブラードに包まれたようなややこもった品のある音がします。このBougléを購入したショップには4インチのPerfectもあったのですけど、その音は BougléとMarquis Salmonの中間的な印象で、それぞれ個体が異なればその音も違ってくるということを理解しました。Marquis Salmon の音は明快で質実剛健であり、これぞMarquis! という独特な響きがあるのですが、少し音が大き過ぎる気がします。周りに釣り人が居る場合、特にその人たちにサーモンのアタリが来ていない場合などは、この音はノイジーで鬱陶しいと感じるかも。その点、Bougléは音量もやや控えめで女性的なので周りに気兼ねする必要はなく、また音色そのものが単純に心地良いと感じられます。サーモンをフッキンングしてからランディングするまでのBGMはそのファイトに集中しているため、あまり気に掛けていないような気もしますけど、実はその音は釣りの間中耳に入ってきています。心地良いと感じる音色は、疲労感を軽減する一因になるかも知れません。
MarquisはHardyのラインナップの中では低価格帯の商品、一方BougléはPerfectなどに近い上位機種という位置づけになっており、単純に比較レヴューするにはやや無理な部分もあります。特にプロダクトデザインを語る時には、コストと使用素材の関係は大きく、例えばMarquisのドラグノブはチープなプラスティック製を使用してます。なので一概にデザインの良し悪しは語れないのですけど、私自身はMarquis、Bougléともそのプロダクトの目的に適ったなかなか良いデザインだと思っています。Marquisの装飾を削ぎ落としたシンプリシティには美しさがありますし、Bougléのピラードされた贅沢な作りもまた美しいと思います。暫くはこのHardyの2台が大型サーモン用のメインで使われることになるのはないかと思います。
ここからは最近、Hardy Marquisに施したメタルポリッシュについて簡単にご紹介します。実はピンクサーモンで使っていたMarquis#10のボディのエナメル塗装が汚くハゲ落ちてきて何とも見苦しくなってきました。以前、Slow FishingのYunさんがリールのエナメル塗装を落としメタルポリッシュでシルバーに磨き上げた記事書いておられたのですけど、それをを思い出して自分もやってみることに。プロセスとしては剥離剤でエナメル塗装を落とす、次にメタルポリッシュで磨き上げる、だけです。剥離剤はGoof Off、ポリッシュはAutosolのMetal Polishという商品を使用しました。Goof Offを目の細かいワイヤースポンジに含ませ擦ると少しずつ塗料が溶けてきます。その後、柔らかい布にメタルポリッシュを塗り込み、磨き上げます。ハンドル側も元々シルバー仕様だったので、こちらもメタルポリッシュで磨きました。すっかりと印象が変わり気に入ったので、Marquis Salmonにも同じようにメタリックポリッシュを施しました。塗装が無くなった分、腐食等が進行する可能性もありますが、まあ、シーズンの終了時にポリッシュで磨いてあげれば状態は保てるのではないかと考えています。私のMarquis Salmonは古いオリジナルなので、軸受のドームが黒いプラスチックではなくてメタルなので、このポリッシュ仕上げにはうまくマッチしていると思います。コツとしては焦らずとゆっくりと時間を掛けて楽しみながら作業することでしょうか。
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例年はサーモンで溢れる下流域のプールは空っぽの状態、ガックリ
ここ数日で気温が一気に下がり、8時少し前に川に到着すると外気温は1度。薄手のダウンを着込み、ニット帽で防寒対策します。川を降りてすぐの広いプールに今日こそはフレッシュなサーモンがラインナップしてくレはず、と期待していたのですけどサーモンの姿は全く見当たりません。もう10月の末なので、これからこのプールがフレッシュなサーモンで埋まる可能性はかなり低いですね。この下流のプールからそれぞれをプールをチェックしながら上流へ向かってゆっくりと歩きます。ほとんどのプールは生体反応が感じられずに沈黙を保っていて、サーモンの死骸を漁りにきたカモメが数羽水面に浮かんでいるだけ。前回釣ったプールにはすでに3人ほどの人影が見えます。ここが多分、唯一サーモンが溜まっているプールなのでしょう。水位が低く、せいぜい20、30センチ程でしょうか。自分としては、この深さの場所での釣りはスレで掛かる確率が高いのでどうもロッドを出す気になれません。
このプールにいた釣り人は、知り合いのフィッシングガイドが2人の顧客を連れてきていたのでした。このガイドと暫く立ち話をしていたのですけど、やはり今年はチャムの数が圧倒的に少ないということで、ガイドを生業にしている彼も困っていました。ガイドが連れてくるフィッシャーはビギナーが多く、ビギナーでも釣らせるにはサーモンの数がある程度必要になってきます。序盤にコーホーやキングがかなり居たと言っても、ビギナーが簡単に釣れるわけはありません。その点、通常チャムは数も多くフライに対しても積極的ですし、派手なジャンプや走りがフィッシャーを満足させるわけですね。ガイドは川を熟知しており、必ず釣れるセッティングとフライを用意してますから、魚の数さえ揃っていればちゃんと商売になります。この日は気温が低いこともあり、水面上の動きは全く無くて、フライに対して食い気が無いのは明らか。二人のフィッシャーが時折ロッドを曲げてましたが、スレでサーモンの背中やテールに掛けてるのは一目瞭然でした。フィッシングガイドという仕事は、プレッシャーが掛かる仕事で大変だなとつくづく思います。
最上流部の静かな流れは静謐さを保ち、妙に心が落ち着きます
グッドラック!とガイドに告げてそのまま上流に向かって歩き出します。最上流のプールの対岸の深みに数は多くないのですけど、7、8匹ほどの群れがサングラス越しに確認できたので、ちょっと試してみることに。と言っても、ここでも水面上のアクションは無しで、サーモンたちが回遊している様子も見られず、やる気は全く無いという雰囲気濃厚。流石に早朝でも7、8度あった気温が、一気に1度に下がるとそれは活性も下がるのは仕方がありません。予想した通りで40分ほど色々なフライを流してみたのですけど、完璧に無視されて心が折れそうになります。少し岸に上がってサーモボトルに入れてきた熱いコーヒーを口にします。気温が低くウェーディングしていると体の芯が冷えてくるので、この日ホットコーヒーを持ってきたのは正解でした。一息ついた後、ヘッドがオレンジのシニョール、ボディがブラックのエッグサックリーチを結び、これで反応が無かったら戻ろうとキャスティングすると、一瞬ツンと反応があり合わせるとフッキングしています。このバイトはちょっと信じられなかったのですけど、今日は多分、この1匹だけになるだろうから何とかバレるな、と念じてのファイト。少し時間が掛かったのですが、何とか岸に寄せたサーモンはオスで比較的フレッシュな個体でした。この厳しい状況下で上げた1匹に対するアプローチの質には満足するものがあったので、時間は早かったのですが撤退することにします。
簡単にポンポン釣れるサーモンよりも苦労した1匹により価値を感じます
さて、スークは釣りは多分、今回が最後になると思います。例年に比べサーモンの数が少ないので遡上が遅れているだけかもと楽観視していましたが、どうやら今年はチャムの遡上が島全体で少ないという情報もあり、これからの新たなフレッシュなサーモンが川に入ってくる可能性は低いと思われます。サーモンの数は年によって異なるのでこれは仕方がないのですけど、ここ2、3年は連続して減少傾向にあるように思われちょっと心配ですね。温暖化の影響などが関係しているのでしょうか。今年のスークの釣りの総括としては、遡上数は少なかったのですけど、毎回釣ることが出来ていましたし、キングやコーホーも複数回釣ってまして内容的には悪くなかったと思います。11月中旬から今クローズドしているカウチンがオープンするので行く可能性がありますが、天候も荒れて来るので、気分とタイミング次第かな。次回、ブログの方は釣行記では無くて、今季導入したハーディ•ブーグレの使用感などを他のリールと比較して書いてみたいかなと思ってます。
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下流域から上流へ向かいながらプールをチェック。秋も終盤で、木々が黄色に色付き、水面には枯葉が舞ってゆっくりと流れに乗って流れて行きます。前回よりも全体的に水位は下がってしまい、サーモンの方も増えた感じもせずにちょっと寂しい状況でした。特に下流域にサーモンがスティするにはもう少し水位が上がって欲しいところ。今週またまとまった雨が降る予定なので、週末に期待ですね。で、結局、前回釣った流れのあるラン、ここも水位が15センチほど減った印象ですが、サーモンの群れはまだ留まっているので、とりあえずここから釣りをスタートすることに。フィッシャーは他に二人ほどいましたが、スペース的には問題ありません。前回、活躍した黒のウーリーからスタートしてみましたが、全く反応がありません。このあたりがサーモンの釣りの面白いところで、ああ、なるほど、今日は黒の気分じゃないのね、とニンマリ笑ってしまいます。小さなジャンプ、ライズなどの水面の動きはあるので、活性は悪くなさそうなので、やはりいつものパイロットフライであるワインカラーのシンプルなパターンを結びます。シンクティップはリールに付いたままの4IPSで、水位が下がったので少し重いかと思ったのですけど、フライも軽いのでそのまま使います。群れの中ほどでつんと来たので、合わせるとお決まりの首振り&イヤイヤのポーズ。その後、横走りしてジャンプしたボディはシルバーに輝いていたので、あれ、新しく入ったコーホーなのかと期待を膨らませたのですけど、寄せたサーモンはフレッシュなメスでした。ボチボチ、後発のメスの集団が川へ入ってきたようです。
この日、このプールはずっと水面の動きが止まらず、常に小さなジャンプやライズがあり、活性が高い状態をキープしていました。黒のウーリーはダメでしたけど、赤系、ブルー系のシンプルなフライには、コンスタントに反応します。エッグ系に関しては、何故か、ダメでしたね。通常、終盤でメスが多い状況ではエッグ系フライは鉄板のはずなのですけど。サーモンのフライの選択は、こんな感じで日に寄ってかなり異なりますが、ベースのパイロットフライが取り敢えず働いてくれるとそれをベースにローテの展開が出来るのでかなり楽になります。ここ3、4年はこのワインカラーの光り物パターンは安定して仕事をしてくれてまして、毎回、数個ずつロストするのでフライの補充は欠かせません。3匹ほどメスがヒットした後に、オス、そしてまたメスのヒットが続くという感じで3対1の割合でメスが多かったです。8時頃から11時頃まで、14、5匹は釣ったと思いますが、全てチャムサーモンでした。前回に比べるとかなり楽な釣りが出来たのですが、新しく入ってきたメスたちがフライ慣れしてなかったというのもあるかも知れません。
ところでピンクサーモンの釣りでよく試していたアップストリームの釣りなのですが、この日、自分のポジションの上流側に群れのシャドウの帯が見えたのでトライしてみました。通常ダウンクロスにキャストして群れの中をフライが横切る形になり、川と平行になった時点でフライを回収というプロセスになりますが、アップストリームの釣りでは、キャスティングした時点でフライからフライラインの線が川とほぼ平行になりながらフライライン先行で流れます。通常はフライが沈下する時間を稼ぐために、フライラインを上流側にメンディングしたり、ロッドを高く掲げフライラインを水面から剥がしたりします。これをすると確かにフライの沈下時間は稼げるのですけど、ラインのシステム全体が緩むので、アタリが分かりにくくなります。そこでキャストしたそのままの形、つまりフライからフライラインまで一直線の形でそのまま流します。ラインは流れに乗ってシンクティップとフライを引っ張る形となりますが、それぞれ重さがありますので少し時間は掛かるにせよ最終的には川底に向かって沈んでいきます。その沈下時間を計算してサーモンの群れのかなり手前にキャスティングすることで、テンションを保ちながらフライをサーモンの層で流れるようにします。この日は、この形から2匹フッキングし両方とも無事上げたのですけど、フッキングした場所は2匹ともマウスの先端、上顎のあたりでした。これはサーモンが積極的にフライにアタックした証拠となります。フライは川を横切らずナチュラルに流れるため、もしかしてサーモンの意表を突いてリアクションを誘発するのかも。アタリは明確で、直線で流れるラインがスッと止まるのでとても分かりやすかったですね。
この釣り方のメリットは、アタリが取りやすいこととフライがサーモンを横切らないのでフロスフッキングが発生しないことです。フロスフッキングについては以前に書きましたけど、フライが横切る時にティペットが先にサーモンの口に入り、スィングが進行するとサーモンのマウス外側にフライが引っ掛かる、つまり一種のスレで掛かってしまう状態。実際にどのくらいの割合でフロスフッキングが発生しているのかはよく分からないのですけど、フライが口角の外側に出ている場合はその可能性が高いです。このアップストリームの釣り方は、釣り場を他のフィッシャーと共有しており、自分のポジションを変えられない場合などにとても有効だと思います。ただしそのような状況では、上流側のフィッシャーがダウンクロスでその群れを狙ってるケースがありますので、上手くタイミング見ながらラインが交差しないように注意する必要があります。通常、フィッシャーは自分の下流側を狙う人がほとんどなので、あまりやり過ぎると上手のフィッシャーの気分を害する可能性もあります。なんかの拍子に上流方向へキャスティングしてしまいました的に時々やるのが良いかも知れません。そもそも周りに他のフィッシャーが居なくて自分が自由に動けるのであれば、常にサーモンの群れの上手に立ちダウンクロスで簡単に釣れるわけで、こんなことをする必要もないのですけど、まあ、知っていても良い釣り方のひとつだと思います。
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ここ4、5日雨の日が続いて川は確実に水位が上がっているはず、という期待を胸に車をスークへ向けます。日の出の時間が次第に遅くなり、朝7時半の川はやや薄暗かったのですけど、パーキングから15分ほど歩いてプールに到着するころには明るくなっていました。水位はざっと30から40センチは増えています。前回釣った止水のプールは岸の部分が消えており、多くのサーモンも上流の方へ移動したのか、水面のアクションは全くありません。そのまま水面のアクションに注意を向けながら、上流方向へゆっくり足を向けます。比較的流れの強くなったスポットに入ると対岸にサーモンの細長い黒いシャドウを発見、水面の所々でライズのリングや小さなジャンプが見えます。どうやら、本日の釣り場はここになりそうです。二人のフィッシャーが既に居たのですが、上流のスペースに入れて貰います。
サーモンの居る川底は多分膝上くらいの深さだと思うのですが、流れは押しが強く、見た目よりは早いという印象。ラインに付けていたシンクティップを4IPSから6IPSへ変えて、とりあえずオレンジのエッグサッキングリーチのフライを結びます。4、5回流しても反応が無かったので、エッグスタシーというエッグイミテーションのシニョールを巻いたシンプルなオレンジのフライに交換。フライのスィングを終わりそうな頃に、モゾっとした反応があり、合わせを入れてフッキング。首をシェイクしているのは多分チャムサーモン。流れのある場所でのファイトは今期スークでは初めてなので、慎重にやり取りし、無事、岸際に寄せることが出来ました。なかなか良いサイズのオスです。流れのあるスポットでフライをスィングさせる釣りは久しぶりですけど、やはり楽しいですね。たとえばフライの選択に関しても、止水の釣りではバルキーなフライは使い難いのですが、流れがある場所では水流に揉まれて変化するフライにリアクションで反応してくれたり、さまざまなバリエーションが試すことが出来ます。
早い時間帯から比較的活性が高いと思われたのですけど、やはりこの時期はバイトのオンオフが明確で、喰わなくなるとパッタリと止まります。そこをフライローテーションで目先を変えながら、渋い時間帯の少ないアタリをリアクション的に拾う作業。それでもひとつのフライで連続バイトを取れる事はまずなくて、頻繁にフライを取り替えながら釣る、所謂、ヒットフライ探しのパターン。サーモンの群れはほとんどがチャムだと思われますが、1匹だけボディカラーが濃い目の赤に変色したコーホーがヒットし手前まで寄せたのですけど、バレてしまいました。こんな気まぐれなサーモンを相手に、7時半から10時頃まで10回以上はバイトを拾い、5、6匹はランディングさせていました。その後、満ち潮の影響か、突然、アタリがパッタリと途絶えてしまいます。どんなフライにも全く反応せず、30分は経過したでしょうか。エッグ系からボリュームあるタイプ、あっさりとした巻いたタイプまで色を変えてみますが、反応は全くありません。
スリングバックからプロティンバーを取り出してボリボリと齧りながら少し休憩。川面を眺めてどうしたものかと思案を巡らし、もう一度手持ちの3個のフライボックスを全て確認します。この日、使っていないカラーはもうブラックしかありません。トラウトでよく使う普通のビードヘッドのブラック•ウーリーバーガーですが、ティペットに結び、さほど期待せずに対岸に向けてキャスティング。群れの中に入ったと思われる頃にツンとアタリがあり、お決まりの首振りシェイク。大きなオスで時間が掛かりましたが、何とかランディングしたオスのチャムの口の中の奥にフライが飲み込まれていました。ここから怒涛の連続バイトが続きます。2回流すと1回はヒットしている状態で、明らかにこの黒いフライがサーモンのスイッチをオンにしていることを実感できます。私の周りには3人ほどフィッシャーが居たのですが、私の大きな変化に困惑して、フライは何かと聞いてきます。上手のフィッシャーは黒のウーリーバーガーは1個だけあると言って、付け替えた瞬間にサーモンをヒットさせていました。他のフィッシャーは黒のウーリーなんて持ってねーよ、とのことで、出来るだけ暗いフライに付け変えたようです。
私はこの黒のウーリーだけで、5匹ほど釣ったので、多分バイト自体は10回以上あったと思います。その後、さすがにサーモンたちもこのフライを見慣れたしまったようで、バイトはストップします。一個のフライが状況を打開することがあるというのは経験上知っていましたが、久しぶりのツボにハマった感覚。心地良い疲労感を感じて、時間も昼を過ぎていたので、この日は店仕舞いすることに。下流へ戻りながら、それぞれのプールをチェックして行きます。川全体の水位が上がったせいで、下流域のプールにも流れのあるランが形成されており、新しい群れが入っていないか確認してみたのですが、どうやら生体反応は感じません。老年のフィッシャーが岸辺に立って川を見ていたので、話を聞くと2日前にフレッシュな群れがここに沢山居て、今日また期待して来たのだけど空っぽとのこと。この下流のランは私も好きなスポットなので、次の群れが来てしばらく居着いてくれると嬉しいのですどね。まあ、川の状況は日々変化して行きますので、予測は不能なんですが。
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7時半から11時までの釣行。前回と同じプールでスタート。到着時、水面のもじりや小さなジャンプなどがあり、活性は高そうな雰囲気。一投目からバイトがあり首振り後、左へ強烈な走り、予想していないところからのジャンプ一閃。一瞬、シルバーの魚体が目に入りコーホーかと思ったのだけど、どうも挙動がフレッシュなチャムっぽい。しばらくやり取りして寄せると、多分、川の入ってきて間もない個体と思われるシルバーの魚体を保ったチャムのオスでした。私のロッドは7/8用のスイッチロッドなのですが、この手の凶暴な個体とファイトしていると握り手のバット部分から曲がっているのがよく分かります。時々、ハンドルの上あたりから折れるのではないかという不安に襲われるのですが、ロッドアクションがミディアムということと、ロッド自体の作りが#8よりも#7寄りの印象があるのですよね。ミディアムアクションのロッド特性に慣れると、キャスティングの仕事はほとんどロッドがやってくれるので体の疲労が軽減します。一方、サーモンとのファイトに置いては柔らかいバッド部分はやり取りにより時間が掛かってしまうというデメリットも出てきます。1本のロッドで全てを満たしてくれるロッドはあるのでしょうか。理想を言えば、このロッドで番手がひとつ上のモデルがあればそれを満たしてくれる気がするのですけど、キャンベルリバーのビルダーRobのラインナップには確か無かったはず。新しいロッドを探す言い訳が出来たようです。
その後、ヒットが続くのかと思いきや、水面でのアクティビティは消え無音の状態が始まります。こうなるとバイトの方も完全にストップ。どうやらプールのサーモンはバイトのオンオフがはっきりと分かれる終盤モードに入った模様。海からプールに入って2、3週間経ってますので、フライ慣れしてきている時期でもあります。この日はアクションがある時間帯が20、30分続くとオフになりまた30分ほどで動きが出てくるというローテで時間が経過していきます。フライに関しても、以前のように選り好みしない状況とは程遠く、その選定に時間が掛かるようになります。この日はやはりワインカラーがベースになっていましたが、他のブルー系やグリーン系はほんとに渋くて、エッグパターンは全く無視されていました。自分としては何のフライを選んでも釣れる状況はつまらないので、サーモンフィッシング終盤のこの気分のムラの激しい相手にある種の闘志が湧いてきますね。10時くらいまで、チャム3、4匹をランディング、コーホー1匹を浅瀬まで上げたのですが、フックが外れて逃げられました。その後、このプールは長い沈黙モードに入ります。あまりに動きが全く無かったので、ひとつ上のプールへ移動します。
このプールは自分が釣ったプールの上流部で50メートルほどの距離。フィッシャーが一人しか居なかったので隣に入れて貰います。話を聞くと、やはりバイトのオンオフがあってオフの時間帯は全く反応がないとのこと。午前中早めはオンの時間が長くて、その後オフが時間が長くなったということで、状況としては私が釣っていた場所と同じということになります。ここではオンの時間帯でも、フライの選り好みが激しく1、2回投げてはフライ交換をしていました。それでも何とか2匹ほどフレッシュなチャムを上げた後、また長い沈黙に突入。もう1匹だけ釣ったら帰ろうと、ブルーのフライを結んでキャスティング、ゆっくりとリトリーブするとツンと当たりがあります。強烈な横への走りが無かったので、キングかもと思った瞬間、目の前でジャンプしたサーモンは何故かうっすらとピンク色しています。シルバーのボディから変色し始めたコーホーでした。とにかく強いし、ジャンプも多く、フックが抜けるのはないかとハラハラしましたが、無事ランディング。浅瀬に寄せたうっすらとピンクの色味が付いたコーホーを1枚写真に収めリリースし、そのまま釣り場を後にします。今後の釣りは終盤に入り、ムーディで気まぐれなサーモンを相手に苦労することになると思いますが、まあ、それもまたサーモンの釣りの面白い部分ではあります。
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サンクスギビングデーの日曜日。晴れ時々曇りで気温は17度前後、7時半から11時までの釣行。前回釣ったプールに到着するとすでに3人のフィッシャーが居て、ここはパスして上流へ行こうかなと思ったのだけど、上流側のスポットに空きがあったので入れて貰うことに。さすがに祝日の日曜日ということで、みなさん、早めに釣り場に行って良いスポットを確保したいということでしょうか。ギアのセッティングなどは前回と同じでシンクティップは4IPS、フライは前回効いたパラっとしたシンプルなワインカラーのフライを結び、キャスティングすると一投目から喰ってきます。首を振る白いボディが川底で一瞬見えたので、チャムだとすぐに理解。首振りからちょっと間を置いて、横への鋭い走りとジャンプ。少し時間を掛けて寄せたフレッシュなオスは大型の部類の入るボディサイズを持ってます。
この日、チャムを中心に比較的途切れることなくバイトは続いたのですけど、驚いたのはキングサーモンが結構多くて、都合3回バイトあり、3回とも無事あげることが出来ました。前回も2回、キングを釣ってますし、どうやら今年はキングの数が例年よりもかなり多いようです。チャムとの釣り分けをしているわけではなかったのですけど、結果的に赤系フライにはチャムが、ブルー系フライにはキングが来ました。今年は何度かキングを釣ってるせいか、キングを掛けるとその姿が見えなくても、分かるようになりました。キングは基本的にチャムのような鋭い方向転換を含むダッシュはしないのですよね。とにかくゆっくりとしたスピードでトルクでグイグイ引っ張る感じ。釣り味としてはチャムの方が面白いのですけど、同じプールで2種類のサーモンの変化を楽しめるのは嬉しい限りです。コーホーも多少居るはずですけど、隣で釣っていたフィッシャーの話だと多くは上流のプールまで一気に上ったようだという話。チャムは多分10匹以上、キングは3匹といいうのがこの日の釣果。まだまだフライ慣れしてきた雰囲気もなくてとても釣りやすい状況ですね。
前回、リールに巻いたサイエンティフィックアングラーの50ポンド•フラットモノのランニングラインが絡まることが多く難儀したので、バークリーのビックゲームの30ポンドに巻き替えてきました。同商品の40ポンドに関しては、このようにコイルの癖で絡まることは無かったのですけど、太くなるとコイルの癖が取れにくいということなのでしょうか。使用前に十分に手で引っ張ったのですけど、ダメでしたね。私は逆に太くなると絡み難くなると思っていたのですけど、どうも逆みたいです。バークリーのビックゲームは長年使ってましたから、コイル癖の問題が発生しないことは知っていたのですけど、大型サーモンに対して30ポンドはちょっと細いかなと思ったのですよ。ただ使用してみるとそのファイトを含めた使用感に全く問題なくて、むしろラインが細い分だけキャスティング飛距離が出るというメリットがありました。350grのOPSTのインターはフライラインの密度が高いのでノーマルに比べて推進力があり、この30ポンドの細いラインとの組み合わせは、軽くキャスティングしてもほんとに気持ちよく飛んでくれます。他のフィッシャーはシングルハンドのロッドを使用していることもあり、川の中ほどまでウェーデングして釣ってますけど、私はほとんど川に入らなくても釣りが出来ていました。バークリーのビックゲームの30ポンド、どうやらこれがランニングラインの最終回答になりそうです。
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7時15分、釣り場へ到着、昼12時までの釣行。この日は快晴で気温も20度近くまで上がり、雲ひとつ無い青空が広がりまさにインディアンサマーという陽気でした。前回まで2回釣ったプールは、サーモンが最上流部のプールへ移動してしまい、ほぼ空っぽの状態。その手前のプールにどうやらフレッシュなチャムと思われる群れが入っており、盛んにモジったりジャンプしたりしてます。とりあえずここでしばらく釣りをして、最後に最上流部の魚止めの柵のあるプールをチェックをしてみようと言うのがこの日のプラン。フレッシュなチャムの群れでこのように水面での動きがある場合、ほとんどの場合、コーホーやキングよりもフライに対しては積極的なケースが多いです。案の定、3投目あたりで早速の当たり。フライはワインカラーのダンベルアイが付いたパラリとしたシンプルなフライで、チャムのパイロットフライとしてここ数年実績があります。今期、初めてのチャムサーモンですが、プールに入ったばかりのフレッシュな個体なので、ジャンプはするわ、左右に強烈に走るわで、その凶暴さに改めて驚かされます。今年は過去2回、コーホーとキングだけを相手にしていたので、チャムの特性をちょっと忘れていたのですけど、3種類のサーモンの中では最もアクティブなファイトをします。派手なジャンプを2、3回繰り返し、手前に寄せても2度、3度とラインを引き出して川中央へまた戻って行きます。チャムサーモンは他のサーモンに比べて過小評価されてしまう傾向にあるのですけど、フレッシュな奴は最も面白いゲームフィッシュだと思います。
このプールは過去3年程、サーモンの数が少なくて釣っていなかったスポットなのですけど、昔はメインのプールでここで釣るケースがほとんどでした。バックスペースもあるし、対岸にハングオーバーの木々も無いですし、ダブルハンドのフィッシャーはほとんど水に入らなくても距離が稼げるので釣りやすいスポット。最初の1匹からバイトはさほど時間を空けずに続きます。サーモンは海から入ったばかりなのでフライも見慣れていないせいか、適当に結んだものに反応してくれるような状態でした。エッグパターンを試してみる必要も無かったですね。基本的にはパラっとしたシンプルなフライで何ら問題無かったです。釣ったチャムはほとんどがオスで、シーズン序盤はオスが多いいつものパターン。1匹だけキングサーモンが釣れて、その他10匹程は全てチャムサーモンでした。昔はサンクスギビングデーの頃、このプールにズラっとフィッシャーが並んで釣っていたものですが、この日は私を含めて3人ほどのフィッシャーがいるだけでした。今後、このプールにもっとサーモンが貯まるのか、ひとつ下流のプールに貯まるのか分かりませんが、これから数は増えるはずです。まだまだ序盤という雰囲気。
10時半過ぎに歩いて10分ほどの最上流のプールへ。ここは以前は時々来ていたプールなのですが、サーモンが溜まる年もあれば、ほとんど居ない年もあるといったバラツキのあるプールでした。今年からプールの上流側に魚止めの柵を設置したことで、いつもより多くのサーモンが溜まっているようです。実際、前回釣ったプールのキングやコーホーもこのプールに移動していますし、かなりの数のサーモンが黒い帯となって対岸に目視できます。ざっと2、300匹はいるかも知れません。このプールに居たフィッシャーは1人だけで挨拶して話を聞くと、サーモンも多いしフライへの反応も良いとのこと。このプールは森の中にある雰囲気でとても気持ちが良いのですけど、対岸の木々がハングオーバーしていて、ちょっとキャスティングしずらいのが難点。フライを木に引っ掛けてロストしてしまうフィッシャーも多いはずです。それでもサーモンの数が多いので、ギリギリ対岸を狙わなくても釣りにはなります。キング、コーホー、チャムの3種類のサーモンが混在しているはずですけど、フライに反応したのは主にフレッシュなチャム。1匹だけここでもキングを掛けて、かなり時間が掛かったのですけど何とか上げました。
コーホーは居るはずなのですけど、フライには反応せず。コーホーに関してはフライの選り好みがあって、コーホー向けにフライを選択する必要があります。群れが全てコーホーなら問題ないのですが、混在しているとその割合の比率でメインのターゲットが変わってきます。この場所ではどうもコーホーの割合は低いと判断、チャムとキング向けのフライを選択しました。もちろんサーモンはどんなフライにも反応する可能性はあるので、そこまで厳密に考えなくても良いのですけど。海の五目釣りみたいなもので、何が掛かるかわからないというのが実際のところ。このプールでは1時間ほど釣りましたが、数も多いし問題なく釣り続けることが出来ました。来週頭から雨が続く予報ですが、川の水位が上がって下流域での流れのある釣りが出来るようになることを祈ります。
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朝7時半から11時半まで、前回と同じプール。いろいろな事が起きたので忘れないうちに時間軸に沿ってまず要約します。結果的に5回フッキングしてキングサーモン2匹とコーホーサーモン1匹をランディング。1匹目、キングサーモン、フライはエッグパターンで無事ランディング。2匹目、コーホーサーモン、フライはブルー系ダンベルアイ、これも何とかランディング。3匹目、フライはエッグパターンで、ファイト中にティペット切れで逃げられる、サーモンの種類は不明。4匹目、フライはエッグサックリーチ、ファイト中にアンチ•ツイスト•スウィビルの結び目が切れフライラインごとサーモンに持って行かれる。サーモンの種類は不明。5匹目、フライはエッグサックリーチでキングサーモンを無事ランディング。4匹目でロストしたフライラインとシンクティップがファイト中のフライラインに上手く絡まってくれて奇跡的に無事回収。ロストしたフライラインにはサーモンは掛かっておらず、すでにフックが外れていた模様。突っ込みどころ満載の今回の釣行、もう少し詳しく追ってみたいと思います。
前回、プールの透明度が悪く群れを視認出来なかったのですけど、この日は群れの様子が良く見えました。それで思ったよりも数が多くて、全体で100匹くらいは居た様子。てっきり全てキングサーモンだと思っていたのですが、実はコーホーサーモンもかなり入っているのが判明。目視してみると、グレーの個体(コーホー)とブラウンの個体(キング)が半々くらいでしょうか。サーモンは種類が違ってもプール内を回遊する時は仲良く行動を共にしています。前回、15、6匹くらいの小さなキングの群れと想像していたのですけど、全く違っておりました。前回もそうだったのですが、基本的にこのキングとコーホーの群れはほとんどフライに関心を示さず、フライを別パターンに変えた瞬間、偶発的にちょっと口を使うだけという印象。5時間釣ってバイトが5回って、1時間に1回しかバイトが無いわけでして。この数の群れがフレッシュなチャムサーモンだった場合、もっと多くのバイトがあったはずです。もちろん、水温など外的要因やサーモンの気分などがあり、一概には言えない部分もあるのですけど。
この日はエッグパターン、エッグサックリーチ、ブルーとワインカラーのダンベルアイ、その他ウーリー系パターンをローテーション。キングサーモンに関しては、ノーマルのストリーマーからエッグパターンに変えた直後のバイトでした。前回と今回、エッグ系フライには全てキングサーモンが反応し、コーホーは無視する傾向が読み取れます。唯一釣れたコーホーはブルー系ダンベルアイのストリーマーだったので、キングにはエッグ系、コーホーにはストリーマー系という釣り分けが出来るのかも。もっとも釣り分けが出来るほどバイトの活性が高くないので、まあ、関係ないと言えば関係ないですね。このプールにはもうすぐチャムの群れも入って来ると思うのですが、そうなるとかなりバラエティに富んだ釣りが出来そうです。多分、フライに反応するのはチャムがメインになって来るとは思うのですけど。この日驚いたのは、やたらパワフルで上げるのに時間が掛かったサーモンがキングではなくてコーホーだったこと。このサイズのコーホーはもしかして自己ベストかも。普段、スークリバーのメインターゲットはチャムなのでコーホーを釣る機会は少ないのです。最初、釣り上げた段階で、ああ、まだボディがシルバーのキングが残っていたんだ、と思ったのですけど、よく見るとコーホー。驚きました。
さて、3匹目のティペットのブレークの件ですけど、現在使用しているものはSeaguar Red Label 15lbというフロロ100%の商品。3年ほど前から使ってますが、非常に気に入ってます。フロロカーボンのティペットが威力を発揮するのは今回釣ってるような止水で、水に馴染んで見えにくいとメリットを最大限に発揮していると思います。15ポンドと言うと、大型サーモンにはギリギリ下限という感じでしょうか。以前は17ポンドを使用していましたが、ティペットは少しでも細いに越したことはありませんしね。因みにピンクサーモンの釣りでは同じ商品の12lbを使ってます。今回のティペット•ブレークは、このサーモンの前に大型のコーホーとかなり長い時間ファイトしていた為だと思います。切れた箇所が新しく変えたフライの結び目ではなくて、シンクティップ側のループ•ツー•ループだったので、多分、弱ってきていたのでしょう。この大きなファイト後のティペット交換、凄く大切な基本なのですが、私はよく忘れてしまいます。このあたりの小さな所作が優れたフライフィッシャーとの別れめなのかも。
それとフライラインのロストと奇跡的なサルベージ事件ですね。周りに4人ほどフィッシャーが居たのですが、私がフライラインをロストしたのを見てますから、もう爆笑で大受けでした。でもよく考えれば、このライン回収はそんな不思議ではないかも知れません。ラインはインターのOPSTでシンクティップが付いてますから、ライン半分は浮き、残りは沈んでいます。流れの無いプールで、サーモンがフッキングしプール中を右往左往するわけで、非常に長い棒でプール中を掻き回している状態なのですから、ロストしたラインが引っ掛かる可能性はありますよね。比較的新しいOPSTのラインとRIOのシンクティップは安く無いですし、ロストすればダメージがあります。今回は運も良かったのですけど、今後、ラインの接続、結び目はしっかり確認してから釣り始めるように肝に命じます。まあ、釣りの基本なんですけどね、案外に疎かになってしまいます。今週、雨の予報がありますが、どうもまとまった雨にはなりそうも無い様子。もうしばらく、このプールでの釣りが続きそうです。
上流部の一番大きなプールにフィッシャーが1人釣っていたので、挨拶をしてちょっと話を聞くと、このプールにはキングサーモンの群れが入っているけどチャムはまだ入ってきていないとのこと。確かに時々、ジャンプやもじりが見られます。深さがあるため群れを目視できないので、正確な数は分かりませんが、せいぜい15、6匹くらいか。スークリバーは数は少ないのですが、チャムが入る前にキングサーモンが小さな群れで入っているケースが時々あります。そのフィッシャーの話では、このプールからさらに上流へしばらく歩くと魚止めの柵があり、その手前のプールにもサーモンは居るらしく、すでに早朝、何人かのフィッシャーが向かって行ったとのこと。パーキングには5、6台の車が止まっていたので、残りのフィッシャーは全てその最上流の魚止めのプールへ行ったとなると釣り場の確保は難しいと考え、このプールで釣ることに。幸いフィッシャーは1人だけだったので、上流側に入らせて貰います。
#8スイッチロッド11.6ft、今季シーズン前に手に入れたHardy Bougleに300grのOPSTインターミディエットのライン、RIOのヴァーサリーダー10ft 6IPS、ティペットに15ポンドのフロロカーボンというギアセッティング。フライは適当にワインカラーのダンベルアイが付いたものを結びます。サーモンの小さな群れは止水のプールを回遊しているようで、ジャンプやもじりがあった付近を目印にフライを置くようにキャスティング。プールは深そうだったので6IPSのシンクティップで始めましたが、引き寄せたフライには毎回川底の藻が絡んでしまい、重すぎると判断し4IPSへ交換。その後、暫くしてスローリトリーブの指先にズシっと重みを感じます。キングサーモンはチャムとは異なり、あまりジャンプやダッシュなどはせず一定のトルクでゆっくりと左右に走ります。どちらかというと綱引き的な釣り味はやや面白味に欠けますが、その大きなサイズを取り込むというのはフィッシャーにとってひとつのチャレンジと言えるでしょう。ファイティングの時間がチャムに比べて長くなるのでバレるケースも当然増えます。この最初のサーモンは5分ほどファイトし、まだ姿が全然見えないうちにフックオフ。5分経っても、全体の姿が見えなかったのでサイズはかなり大きかったと思います。フックがバレるバレないは、単純にフッキングの場所や角度の問題で、バレない日は全くバレずに取り込めるし、また7匹も8匹もバレ続けるケースもあり、単純に運不運の問題でもあるのですけどね。それと個人的にはキングサーモンのマウス周辺はチャムやコーホーよりも硬いという印象を持っています。
この日は結局、7時半から11時頃まで同じプールで釣り、4回フッキングしてランディング出来たのは1匹でした。ちょっとバレが多い気もしますが、アンチスナッグ用に針先をベンドさせてますし、まあ、こんなものでしょう。当たったフライは2回はレッドワイン系ダンベルアイ、2回はエッグサックリーチのパターンでフッキングさせています。エッグパターンは使用しなかったのですが、エッグサックリーチに反応したところを見るとエッグ系も効いた可能性もあります。
Hardy Bougleは去年からのクリック式リール病がどんどん進行してしまい、シーズン初めに新たに2台導入したうちのひとつ。いきなりキングサーモンで試してみたのですけど、4インチの大きさはサーモン用ということもあり、全く不安なく使えました。クリックの強度の変化が今ひとつわかりにくいのですが、ほぼ真ん中ほどに設定。ストッピングはアウターリムをタッチするHardy Marquis Salmonとは異なり、ハンドル面の反対側のプレートを指で触ってコントロールするタイプ。このタイプはSpeycoのリールで慣れていたので、全く違和感は感じませんでした。ファイト中のクリックの逆回転音もMarquis よりもやや控えめで軽やかな印象で好感が持てます。Marquis Salmonも好きなリールなので、今後は並行使用していく予定。もう1台の新規導入リールも近日中に試してレポート出来ればと思ってます。
というわけで今後の釣行予定なのですが、川のコンディションがとても悪いので、もしこのまま雨が少ないと去年のようにクローズドされてしまう可能性もあります。そうならないように真剣に毎日座禅を組んで雨乞いをするつもりです。ま、とりあえずは今後は週2回ペースでこのスークリバーには通うことになると思います。どうなりますか。
前回の釣りから1週間後、日本から身内のビギナー2人を釣れて再びキャンベルリバーへ。身内二人は4年前にスークでチャムを釣っているので、一応フライでサーモンを釣った経験はあります。とりあえず、一番サーモンが溜まっているパワーハウスのプールで釣ってもらうのが、手っ取り早いだろうという判断。ところが二人共、釣る前に川へ足を踏み入れた途端に石で滑って転んでしまいます。2度、3度とすっ転びは続き、釣りを始める前から大変な事態になってしまいました。パワーハウスのプールはヌメヌメした石が多く、確かに普通の川よりも滑りやすいのは事実なのですが、私自身は何年もここで釣っているため、身体がそれに慣れて滑るという感覚を忘れてしまっておりました。それと私のシューズはフェルトソールで比較的グリップが良いのですが、彼らのウエィダーは長靴タイプで、ラバー剥き出しのソールはやたらと滑るようです。これは完全に私のミス。フライやロッド、リールの準備などに気を取られて、安全に川を歩くための装備が疎かになってしまいました。
それでも何とか、比較的安全な足場を確保し、釣り始めます。ラインのセッティング、フライの選択もデータから割り出しているので、サーモンからの反応はすぐにあります。ただサーモンとのファイトの仕方が理解できていないので、フッキングした後は単調なラインの巻き取りしか出来ません。サーモンを意図的に走らせては寄せ、また走らせては寄せるというランディングのためのプロセスを理解できていないので、当然、フックが外れるケースが多くなります。そうでなくても、ピンクサーモンのマウスは柔らかいのでフックが外れやすい傾向にありますし。それと足元が滑るという意識が働くので、岸際に後退してのビーチランディングも難しくなります。運よくフックが外れないで寄せられたサーモンは私がネットでキャッチして何匹かヘルプ。そんな形で頻繁にあったフッキングで次第にサーモンとのやり取りの感覚を掴み始めたようです。最終的には二人共、自力で数匹ずつ無事ランディングすることが出来たようでした。取り敢えず、ガイドとしては一安心。日本からサーモンを釣りに来て、まずは釣ってもらう、という目標はクリアしました。
その日の釣りが終わった後、川沿いにあるフィッシング•タックルショップへ立ち寄ります。長靴一体型のウエィダーではとても危なくて釣りが出来ないので、ソールタイプのシューズとセパレートのウエィダーを手に入れるためです。現場での大きな出費にはなりますが、安全な釣りのためには仕方がありません。幸いSIMMSの商品を品揃えしていたので、品質の高いサイズの合ったものを手に入れることが出来ました。キャンベルリバーで初心者が釣りをする場合、シューズはフェルト製のものにスパイクを打ち込んで滑り対策を完璧にすることをお勧めしますね。それとウエィデイング用スティックがあれば、川での転倒はほぼ防げるはずです。
初日、二日目とパワーハウスのプールで釣り、3日目最終日は上流のプールへ。上流のプールはサーモンは十分に居るようなのですが、どうも活性が低く、ほとんどフライをテイクしませんでしたね。上流に居るサーモンはすでに長く川に居るので、産卵に向かいボディも変化してますし、どうしてもフライを無視する傾向にあります。前日に結構な雨が降り、水温の変化も関係していたのかも知れません。3日間といっても、1日あたり4、5時間の釣りだったと思いますが、二人共7、8匹はランディングし、やり取りしたサーモンは数知れずということで、十分に満足できるフィッシュング•トリップだったと言えるでしょう。
今後の予定としては、9月中旬には島中程の川にはキングサーモンが遡上してきますし、下旬にはチャムやコーホーも川に入ってくる予定。リトルクェリカム、ナナイモあたりで数回釣り、その後ホームリバーのスークで、チャム、コーホーサーモンを狙うといういつものスケジュール。一つ懸念されるのは、9月の雨量の問題。昨季は9月もほとんど降らず、結局、川は10月上旬にクローズドになり、十分に釣りが出来ないシーズンとなりました。十分な雨が降り、適量な水位で秋のサーモンシーズンが無事迎えられることを祈るしかありません。
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翌朝、7時過ぎに再びパワーハウスのプールへ。中年の男性フィッシャーがすで一人、川辺に立ち釣っておりました。あ、このフッシャーは昨日対岸で釣っていたフィッシャーだ、とそのエンジ色のシャツで気がつきました。ただ彼がフッキングしたのを覚えてないので、多分、こちらサイドがサーモンが多いという判断で今日は移ってきたのでしょう。まあ、でも対岸にも同じくらい居るんですけどね、サーモンは。グ、モーニンと挨拶して彼の上流に立って釣り始めます。私は昨日と同じセッティングで、昨日の当たりフライであるシュリンプ型を付けて釣り始めます。早朝は手前にサーモンが居るので、ほとんど立ち込まず、リーダーとティペットだけをロッドから出して、フライを適当にフリップさせます。一投目から喰ってきましたがすぐに外れ、3投目でまたフッキング、今度は外れずにしばらくやり取りして無事ランディング。どうやら朝イチからサーモンの活性は高いようです。数匹釣ると手前に居たサーモンたちの場が荒れてしまい、彼らはやや深めに移動したので、膝下くらいまでウェーディング。下流側へのスィング、上流側へのアウトリガーでコンスタントにフッキングさせていたのですが、隣のフィッシャーは沈黙を守ったまま。多分、フライの初心者でシンクティップのセッティングが間違っているのだと思いますが、こちらからは話し掛けません。
そのうち、彼はとうとう痺れを切らして「君、どういうシステムで釣っているの?対岸から見てたけど、昨日も釣りまくっていたよね。」私は自分のラインシステムを簡単に話し、逆に彼のセッティングを聞き返しました。どうやらローカルのフライショップのアドバイスだったようですが、12フィートのT14を使っているとのこと。「このプールだとT14だとちょっと重いし、12フィートも少し長いと思う」と答えると戸惑った表情を浮かべてます。「昨日も一昨日も、いろんな人に聞いていたのだけど、皆、違うことを言うんだよね」フィッシャーはそれぞれ自分が正しいと思うセッティングで釣ってますし、流し方やフライの重さで変わってくるのは当然です。極端な話、シンクティップを使わずにフローティングで異常に長いティペットでガンガン釣ってる人もいるわけですし。そんな話をしてもしょうがないので、とりあえず私の予備のヴァーサリーダー5IPSを彼に渡して、これに交換して釣ってみてください。多分、釣れると思いますよ。申し訳なさそうにリーダーを受け取り、付け替えた彼は、その後すぐに当たりが出だします。劇的に変化した状況に自分自身が驚いているようで、やたら興奮してます。釣りながら話を聞くと、バンクーバーから3日間の予定で来て、今日が最終日とのこと。最初の2日間で3匹しか釣れておらず、どうも何かが違うと思っていたとか。自分と全く同じセッティングなので、多少フライが違っても釣れるはずだとは思ってましたが、どうやら上手くいったようです。自分もサーモン初心者の頃、周りが釣れて自分だけが釣れないことがあったので、そのやるせ無い気持ちはとても理解できます。自分から進んでお節介はしませんが、聞かれたらなるべく丁寧に答えるようにしています。初心者、上級者、若い人、老人、川を訪れたフィッシャーは皆一様に笑顔で釣りを楽しむ権利があると思うのですよね。
お隣のフィッシャーも順調に釣れ出して、朝日が完全に樹々から顔を出し川面を照らす頃、ファイト中だった私のロッドが真ん中やや上から突然折れます。バキっというあの嫌な音は何度聞いても嫌なもの。ただ私の場合、過去にこの折れ方は何度かあって、さほどショックというわけではなくて、ああ、またかという感じ。ティップ部分ではなくて2番目の下部で、通常は折れにくい所なのですが、昨日からフッキングの数が異常に多く、それに伴ってファイト中に外れたフライが何度も自分めがけて飛んできていました。そのうちの一つがロッドを直撃しダメージを与えたものと思われます。ビードヘッドが付いてなければ、それほどのダメージにはならないと思うのですが、使用したフライの全てにビードヘッドは付いています。幸いこの釣り場はパーキングのすぐ脇だったので、すぐに車に戻り予備のロッドを取りに行き事なきを得ました。現場ではロッドとリールの予備は絶対必要ですね。実は来週もゲストを釣れてキャンベルリバーに来る予定なので、キャンベルリバー在住ロッドビルダーのボブさんに破損部分のパーツ依頼をする予定。上手くストックがあり、釣りに間に合えば良いのですけどね。
さて、この日はリールをHATCHに変えました。と言うのも、自分は左手の親指付け根に神経痛持ちで、前日の怒涛のフッキングによるパーミングで左手付け根が完全に強張って親指が動かない状況になってました。暫くマッサージしてあげると元に戻るのですけど、現場では鬱陶しいわけで、この日はパーミングの要らないリールを選択。HATCHのリールを暫くぶりに使ってみたのですが、バターを切るようなスムースなドラッグシステムはやはり素晴らしい。このリールでピンクサーモンを釣る際に注意すべき事があって、それはドラッグを締めすぎないこと。ピンクサーモンはマウスが柔らかいので、ドラッグが強いとフックが外れやすくなります。弱めに設定し、走りを少し抑えたい時は、リール底のステムの切り込みに人差し指と中指を添えて、アウターのリムが人差し指に触れるようにします。これでブレーキが掛かり、ドラグのノブ調整をする必要が無くなります。これはボーンフィッシュ•フィッシングをしていた人がやっていたのをビデオで見たのですけど、どんな釣りにも使える便利なテクニック。クリックリールのパーミングより遥かに負担が少ないですし、ほとんどはドラグがスムースに吸収してくれるので、2本の指はあくまで補助的な動きになります。この日、午前中だけで軽く30回以上はファイトしていると思いますが、左手の強張りなどは一切ありませんでした。ちなみに多くのディスクドラッグタイプのリールはボトムステムにこのような切り込みがあり、ハンドブレーキをしやすいデザインになっています。もしかして今まで私だけが知らなかったフライリールの常識なのかも。皆さんは知ってましたでしょうか。
最後にフライパターンの話を簡単に。フレッシュなサーモンが沢山いる初期状態では、活性が高いケースが多く、フライの選り好みはあまりしない傾向にあります。それでもシュリンプタイプのフライは真っ先に結ぶパイロットフライ。反応が他のフライとは全く違う印象があります。実際に海でシュリンプをメインで捕食していたのかは分かりませんが、ピンクという色に執着するのはシュリンプの色味に近いからなのではないかと推測出来ます。ストリーマータイプのフライも何故かピンク系が反応が良いわけで、これも印象としてシュリンプの刷り込みがあるからなのかも。実際のところはわからないのですけど、私のデータとしてはこれらのフライパターンが確実に効いているのは間違いありません。後期のフライ慣れした時期の対応はまた全然変わってくるのですけどね。
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ピンクサーモンの遡上は例年よりも何と3週間も遅くなりました。予定していた7月下旬と8月上旬の釣行をキャンセル、初の釣行が8月中旬を超えてしまって、こんなに遅いピンクサーモンの釣りはもしかして初めてかも。そんなわけで先日、やっとキャンベルリバーへ。島の天候はずっと夏型で安定してます。いつも通り早朝4時に家を出て7時に到着。いつも通り最上流のプールへ向かいます。朝の7時ということで、釣り人は一人だけ。昨年もお見受けしたやや腰の曲がった高齢フィッシャー、例のあの方です。朝の挨拶がてら、サーモンの状況をお聞きすると、やはり今年は凄く遅いということで、先週が初めての釣行で今日が2回目とのこと。先週は1匹しか釣っていないのだとか。ただ、本日はすでに一匹釣って、どうも先週よりはかなりプールに入っているとのこと。それにしても、他のフィッシャーが居ないのはちょっと気になります。みなさん、今年は遡上が遅いという情報をご存知なのでしょう。
適当に話を切り上げて、とりあえず釣り始めます。川をざっと見たところ、群れが固まって影になってるようなスポットは見当たらず、散発的に散っている様子。最もまだ朝日が水面を照らす前だったので、よくは見えてなかったのですけど。それでも3投目ぐらいでしょうか、ビードヘッドのシュリンプフライに強い引きを感じ、合わせるとフレッシュなシルバーの魚体が水中で反転します。サーモンがフレッシュなのか、古くなっているのかは、水中で反転するシルバーの輝きの具合で一発で分かります。サイズ的にはどうやらオス。フレッシュなオスは最初は本気を出さずに、というか掛かっていることに気がつかないのか、その場をあまり動きません。で、え、何、どうしたの、と感じで防御本能に目覚めるのか、突然に走り出します。この走りに備えたリールのドラグ調整を準備しておかないと、一気に抜けて、リールの中でラインがお祭りするケースがあります。クリックのリールではパーミングで対処します。久しぶりに甲高いマーキスの逆回転音を5、6回聞いて後、ゆっくりと寄せてみるとやや青みが入ったシルバーボディのオスが浅瀬に浮かび上がります。今年もいつものサーモンのシーズンを無事迎えられたことに感謝。
その後、2、3回フッキングはあったのですが、ランディングには至らずで、印象としてはやはり数がまだ十分では無くて、そのせいでプール全体のサーモンの活性が低いという感じでしょうか。そこへナナイモ在住の日本人Kさんがヴァンクーバーから友人を連れて登場。朝ここで少し釣ってからイヴリバーへ向かうということで、2時間ほどご一緒しました。Kさんもご友人も、何匹か釣られたようで、その後、イヴリバーへ。後から聞いたお話では、イヴリバーの釣りはなかなか良かったとのこと。私はもうキャンベルリバーに鞍替えしたので、ここ2年ほどはイヴリバーへは行ってません。来年あたり、久しぶりにまた出掛けてみようかな。
10時過ぎに下流のパワーステーションのプールへ移動。釣り人はたった一人で、あれって感じだったのですけど、挨拶して話を聞くとサーモンは沢山入っているとのこと。確かに川のあちこちに群れのシャドウが確認出来ます。実際、釣り始めると何の問題もなくサーモンはフライに喰いついてくるのでした。このプールにこれだけ入っているのに、なぜ少し上のプールには数が少なかったのか、ちょっと不思議。そうこうしているうちに3、4人のフィッシャーが参入してきて、プールは一応釣り人で埋まった感じになります。釣りの方は、まず数が多いので自然と活性は高く、しかも全てフレッシュなのでフライ慣れしてません。多少、バイトのオン、オフはあるにせよ、比較的コンスタントにバイトがあります。状況としては、最も釣り易く、最高のコンディションと言えますね。ランディング出来たサーモンのほとんどはシルバーボディを保っていましたが、2割くらいの割合でオスの場合は背中が多少盛り上がり、カラーもオリーブ系の色味に変わった個体もありました。
このプールでは10時頃から3時頃まで釣ったのですが、なんせサーモンの活性が高いので3回キャストすると1回はフッキングしているような状況です。フライローテはシュリンプ型のシンプルなものがまず鉄板で、それとダンベルアイのピンクのストリーマーを時々織り交ぜるだけで、問題なく釣れ続けてくれました。小型サーモンとは言え、フレッシュな特にオスの走りはなかなか強いので、L字型にロッドをホールドしている右腕は疲労で痺れてきますし、パーミングしている左手の親指の付け根は強張ってガチっと固定して動かなくなるしで、何ともフィジカルな釣りになってしまいました。翌日の釣りではクリックのリールは使用せず、HATCHのFinaticを使用しましたが、とても快適な釣りが出来ました。ひっきりなしのフッキングというケースでは、ドラグのほとんど無いクリック•リールはやはり向いてませんね、特にサーモンの場合は。
3時過ぎに釣り場を離れ、下流域にある川沿いのロッジへチェックイン。ここは裏庭が川が面しているので釣りができるとのこと。フラットな流れにはかなりの数のサーモンが溜まっており、ルアーのフィッシャーが二人ほど釣っておりました。私はウィダーを脱いでしまってますし、疲れもあったので釣りませんでしたけど、ここで釣る手もありますね。
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