スティールヘッド、シーズン始まる
2015.11.25 Wednesday
スモーキー改めジェイクからメールがあり、Harris Creekにスティールヘッドがボツボツ上ってきてるらしいから、一緒に行かないかというお誘い。カウチンリバーはいまだにハイウォーターをキープしたままで、全く釣りにならない状態。で、ちろん承諾。彼は先日、今度、ハリスのキャニオンを案内するよと言っていたのだけど、律儀にも早速誘ってくれたわけだ。 スークで待ち合わせをして、ジェイクのトラックでHarris Creekへ向かう。目的地までは1時間半ほどのドライブ。車中、いろいろな話で盛り上がった。いつも釣り場で釣りの話ばかりだったので、お互いの素性はよく知らなかったのだけど、彼はジュエリー・デザイナーでスークに自分の店を構えるオーナーだった。いつも川にいるので無職かと思っていたのだけど、アーティストだったのである。 前回、私が釣ったブリッジを超えて暫く走ると道はやや狭い登りが続く。まずはジェイクの秘密のスポット、キャニオンに向かい、その後上流のポイントを2カ所ほど廻ってみようというこの日のプラン。
キャニオンのスポットは谷底にあり、かなり急勾配の岩場を慎重に下りていく。谷の底に何とか無事到着し、両岸に迫る高い崖を見回して、感嘆の溜め息。水は透明度が高いエメラルドグリーンでその美しさに驚く。日本で言う源流域の景色に近い。カウチンリバーにもこのような渓谷スポットがあり、川の色が同じだ。ジェイクが指差す大岩の後ろには、80、90センチほどの魚影が10匹ほど並んでいるのが見える。コーホーサーモンだ。2、3匹、色がブラウンでサイズが大きいものが混じっていたのだけど、こちらはキングサーモンとのこと。通常、キングサーモンは早い時期に遡上するので、この時期の川にキングサーモンがいるの?と聞くと、この川には遅く上ってくるタイプがいるとのこと。
崖を上って車に戻り、さらに5分ほど上流へ向けて走る。丁度、道端のトラックにロッドを仕舞い混むフィッシャーに出会う。挨拶して話始めると、ジェイクの顔見知りのフィッシング・ガイドだった。この付近のポイントで釣り終わったところで、1匹のサマー・スティールともう一匹のフレッシュなウィンター・スティール、それと錆びたコーホーが一匹という釣果とのこと。ガイドの話では、まだまだスティールヘッドの数は少なくて年を越してからが本番とのこと。
実はこの時、彼が手に持っていたのはフライロッドではなくて、センターピンのフロートロッドだった。日本ではあまり馴染みがないこの釣りのシステムは、カナダのスティールヘッダーの多くが使っているのものだ。川底にフライ(というかルアーか)を素早く送り込み、長い距離をナチュラルにドリフトできるため、特に冬場のスティールヘッドには抜群の威力を発揮する。センターピンのリールは一見フライのラージアーバーのリールにそっくりなのだけど、ドラグのシステムが付いていない。魚とのやりとりはすべてパーミングでする。冬場のカウチンリバーでスティールヘッドを狙う釣り人はほとんどこのセンターピンのシステムで、私のようにダブルハンドでのスカジットの釣りはまだまだ小数派と言ってもよいと思う。このあたりの話はまた違う機会に詳しく書きたいと思う。
このエリアのスポットは通常の釣り場に近い雰囲気で、キャニオンの場所よりも足場もいいし、釣りやすそうだった。残念ながら雨でカメラのレンズを曇らせてしまい、このエリアの写真は撮れなかった。一応二人でポイントを流してみたけど、ガイドが釣った後だったせいか、残念ながらアタリは無し。その周辺を2カ所ほど、釣り歩いてみたのだけど、やはり反応は無かった。雨が強くなったので、3時すぎにはロッドを仕舞い帰路についた。今回スティールヘッドには出会えなかったけれど、釣り場の新規開拓という意味では収穫が大きかった。年を超えてスティールヘッドの遡上が増えた段階で、是非、また訪れてみたい。
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