ダブル?シングル?

2016.05.24 Tuesday

0


     

    この日、先週に引き続き、午後から家を出た。例のSpring Poolのイブニングの釣りの前に中流域をスペイで流そうとHorseshoe Bendへ向かう。カウチン・リバーは先週あたりから急激に水位が下がってきていた。もうかなり長い期間、まとまった雨も降らないし、カウチン・レイクとリバーを結ぶ水路から農業用水を摂取していることもあり、水位の低下が急に進んだようだ。Horseshoe Bendの辺りに立つと、深みの流芯でさえ底石が見えていた。それでも気を取り直し小型のレインボーにでも遊んで貰うつもりで、小さなソフトハックルのウェットフライをラインに結ぶ。フライを沈める必要がないのでスカンジ系のラインの方がほんとは良かったのだけど、リールに巻いたままだったスカジットラインにフローティング・ティップを付ける。ある程度流れの早いポイントなので問題ないと判断。ところが魚からの反応はない。プールの上から下まで流して10センチほどのチビ・レインボーが一匹。水温も上がり、魚はどこかに移動したようだ。今季、カウチンの中流域でのトラウトの釣りはこれで終わった。残るは上流のフライゾーンだけだけど、もしかしたら川全体が禁漁になるかもしれない。カウチンは極端に水位が低いときには全面禁漁の処置を取ることがある。そうなって欲しくはないのだけど。島の南側では、川でのトラウトの釣りはここぐらいしかないからね。





    Spring Poolには7時頃に到着。この日はすでに散発的にライズが始まっていた。ただライズとライズの間隔はまだ比較的長め。でもとりあえず前回よりは魚の夕飯時は早まりそうだ。CDCを使ったややぶら下がりのフライを結びキャスティングのテストのつもりで投げたら、フライがライズのレーンに流れていきなり喰ってきた。おい、おい。ソフトなティップを持つSage LL490は魚の細かい振動を手に伝えてきた。だけどなかなか浮き上がってこない。暫くやり取りして寄せたレインボーは14インチあったから、まあまあのサイズ。ただ、その後そのフライは見向きもされなかった。カディスのライズではよくこういうことがあるのだけど、最初に釣られた魚が仲間に情報を送るのではないかと思うほどなのだ。それで違うフライに変えると、それでまた喰ってきた。そのくり返しで4、5種類のフライでローテーションを回す釣り。カディスとは関係のない#14のソフトハックルで、この日のベストなレインボーがガツンと来た。かなり手間取ったけど16インチほどか。Sage LL490はバット部分が結構強いのでそこそこのサイズも案外に取り込みは楽だ。もう17、8年使ってるロッドだけど、今ではあまり見ない柔らかなミディアム・アクション。その後、ドライでは10インチから12インチのレインボー、ブラウンが続き、ソフトハックルに変えると14インチとか、やや大きめなサイズにアップした。やや大きめのトラウトはドライフライを見切っていたのかも知れない。そうこうしているうちにかなり薄暗くなってきたので、懐中電灯を付けて帰り支度をする。暗くなった帰りのトレール、この日は2回目なので少し余裕があったみたいで、ゆっくりとした足取りでパーキングへ向かった。




     

    先週と今週、久しぶりにシングルハンドに戻って釣りをしたわけだけど、ひとつ感じたことがある。自分はスペイを始めてから、シングルハンドでの繊細なキャストや細いティペットや小さめのフライ使用などの感覚をすっかりと忘れてしまっていた。そしてその感覚が戻って来た時に、スペイの釣りがいかにルアー的で大雑把な釣りだということに突然気がついたのだ。太いシューティングヘッド、太いティペット、大きなフライ。元々スティールヘッドやサーモンなどをターゲットにしている釣り方なので、それがトラウトへサイズダウンしたとしても、やはりシングルハンドの繊細な釣りとは感覚が違う。例えば昨日、突然、スペイでキャストしている時にスカジットラインがもっと軽くてもいい!と身体感覚で理解した。たぶんあと50グレイン少ない方がもっと扱いやすいと思った。これはたぶん軽めラインをシングルハンドで投げているうちに、ロッドとラインの微妙なバランスを身体でより細かいところまで感じるることが出来るようになったからかも知れない。ティペットにしてもそうだ。スペイでは大物が来てもブレークしないよう、太め太めの安全策を取るのだけど、フライの流れ方や見え方を考えれば、出来るだけ細い方がいいに決まってる。これも6Xのティペットで16インチのレンボーを問題なく取り込めたことで思ったことだ。単純にフライサイズでも、スペイをやってる時は#14のソフトハックルは結ばない。当然、ウェットフライも大きいサイズを当然のように選んでいる。だけど#14の小さなソフトハックルに15インチのレンボーは食い付いたのだ。





     

    要するに異なるボリュームの道具を目的に合わせてうまく使いわけていると、身体の繊細な感覚を維持出来るのではないかということかな。いろいろな思い込みをクリアにして道具の選択に幅を持たせることが出来れば、もっと釣果も上がるはずだし釣りそのものも楽しめる。そんなわけで、今後もスペイとシングル、状況に合わせて柔軟に使い分けるようにしていこうと思った。これからカウチンのフライゾーンは大物は昼間は出て来ないし、スペイでストリーマーを流してもあまり釣果は期待できないだろう。シングルハンドで小さめのニンフやドライでフライフィッシングを勉強し直すにはいい機会かもしれない。まあ、サーモンのシーズンになれば嫌というほどダブルハンドを振り回すことになるのだし。

    にほんブログ村 釣りブログ フライフィッシングへ

    にほんブログ村