サーモンキャンプ 2018 その3

2018.08.26 Sunday

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    2日目の朝から3日目最終まで、ほぼこの上流のスポット一箇所で釣ってました。まあ、50メートルほどのランなので上行ったり、下行ったり、メインの群れを休ませるために、さらに上流の小さなプールへ出かけたり、河原に寝転んだり。唯一、ブラックベアの糞が河原のあちこちにあるのが嫌でしたね。定期的に後ろを振り返る癖が付きました。ここはブラックベアやエルク、ボールドイーグルなどのテリトリーなので、自分が余所者であるという意識を持たないと事故につながります。ブラックベアは通常人間を怖がるのである程度距離があってこちらの存在を教えてあげれば大丈夫なのですが、出会い頭の遭遇が危険です。私は移動の際は出来るだけ見晴らしが効くエリアを歩くようにして、近道になるブッシュには入りません。

     

    朝7時から午後の3時頃まで毎日14、15匹ほど釣ってました。これだけサーモンが居ても、アタリはコンスタントにあるわけではありません。2、3匹連続でヒットして無反応な時間が30分とか1時間とか。アタリのスイッチのオンオフがあります。これはピンクに限らず、キングやチャムでも全く同じなのですけど。チャムのケースで多いのですけど、終日、活性の高さをキープしてアタリがさほど途切れないということはありますね。サーモンの釣りではチャムが比較的鈍感で一番釣りやすくいです。ピンクは場が荒れるとすぐにナーバスになりやすく、やや釣り難いサーモンだと思います。それでもヒットの数を稼げているのは、群れの数が多いからでしょう。

     

     

     

     

    その後、キャンプ場に戻り、昼寝したり、ウィスキー片手にキャンプ脇の河原に降りてぼーっと川を見て過ごしたりして、とても贅沢な気分でしたね。今回は単独でしたし、誰とも喋らず、シンプルな食事を適当に作りモクモクと独りで食べ、またウィスキーを飲み出して、酔っ払うとシュラフに潜り込んでオヤスミナサイ。仲間と来るのも楽しいのですけど、独りの時間もなかなか良いものです。あ、そういえば、昼間、釣り場でも丸二日独りでして、誰もこの上流のワンダフルなスポットに釣りに来なかったのですよ。多くのフィッシャーは河口で海から来るサーモンを狙うみたいで、フレッシュな方が釣り易いのでしょう。川に入る直前なので、まだミノーを追うサーモンが多いみたいです。去年、一度、河口で釣ったことがあるのですけど、フィッシャーが混み合い、自分はあまりその雰囲気が好きになれませんでした。そんなわけで、わざわざ最上流のプールまでやって来るのは自分だけだったというわけです。徳したような気分でもあるし、この素晴らしいスポットを誰かと共有したかったという気分でもあり、ちょっと複雑な気分。実際、他のフィッシャーがいた方が、サーモンの群れが勝手に移動してくれて釣り易かったはずです。

     

     

     

     

    さて、最後に道具や使ったフライの話でも。まず、ロッドなんですけど、春先にEchoのシングルロッド#8 Base 9ftという奴を手に入れました。値段はカナダドルで100ドルくらい。フライラインの値段と同じくらいって凄いです。なんで買ったかというと、メインが折れた時の予備。サーモン用のシングルハンドはSageが一本あり、今のところこちらをメインに考えていたのですけど、これがよく折れるのですよ。もうサーモンで3回くらい折ってます。その予備で買ったEchoですが、これが凄く良いのですよ、びっくりです。賈う前にちょっとネットでレヴューを読んだのですけど、やたら褒めていたので半信半疑だったのですが、ほんとでした。ロッドの仕上げも普通に綺麗ですし、ファースト気味のアクションもいいですし、バットは強度があってサーモン向きですし、とても軽いし。ほんと、実際、Sageよりもこちらの方が良いくらいです。今の100ドルのロッドと1.000ドル近いロッド、はっきり言って私レベルの腕では質の違いはそんなに感じません。少なくてもサーモンの釣りでは、適度なキャスティングアビリティとサーモンの引きに負けないバットがあれば何でも良い、といいのが正直なところ。ロッドよりもリールの選択の方が遥かに大事だと思いますね。

     

    ダブルハンドのロッドに関しては、シングルハンドとは異なり、ロッドの特性とそのひとのキャスティングフォームの関わりがより深くなるので、それぞれ愛着のあるメーカー、モデルへの結びつきはより強くなるだろうと思います。自分の場合だと、ここぞという時にはSage TCX #7のスペイを手に取ってしまいますし、多分、このロッドは今後も手離さないでしょう。やや大げさに言うと、自分のキャスティングを形成してくれたというか、共に歩んできた分身とも言えます。最も、今後、違うロッドを使わないと言うことではなくて、単にセンチメンタルな愛着なのでしょうかねぇ。

     

     

     

     

    私はフライを始めた時から、ロッドはずっとSageを使ってきたのですけど、西側に移ってきて初めてEchoのスイッチロッドを使い出して、妙にこのメーカーが好きになりましてね。プライス的にカジュアルでいながら、性能に拘ってる会社ってイメージ。そんなわけで今回のサーモン釣りはこちらがメインとなりました。初日に使った#5のスイッチロッドもEchoですけど、実はラインは#8シングルと共有できるのですよ。両方とも250から275grでドンピシャです。リールごと付け替えれば即使えます。同じ重さのラインが使えるということはロッドの強度も同程度ということで、以前#8シングルでキング、チャムを使った経験から#5スイッチも実は問題ないのではないかと考えてます。今季、一度試してみようと思ってまして、#5スイッチで大型サーモン、ちょっとワクワクします。去年、ここでチャムサイズのコーホーを釣った時も、思い出してみると全く不安を感じなかったのですよ。

     

    サーモンの釣りでしっかりマウスに掛けていれば、サイズが多少大きめでもコントロール不能に陥ることはありません。暴走するのはスレで背中に掛けたような時で、初心者はそれをサーモンの圧倒的なパワー!と勘違いされてます。スレで掛かっていなければ、多少ロッド番手が低くても問題ないと思うのですよね。ロッドが折れるケースしては、スレで掛けて流れの中に入られて下りに走られる場合がかな。それを無理に止めようとすると危ないです。私がスレ掛かりを徹底的に忌み嫌っているのは、サーモンを傷つけている罪悪感、口以外に掛けることがフライフィッシャーとしての矜持に反すること、体力の無駄な消費、それとロッドやリールなどの保護のためです。去年からフライのフック先端を曲げて釣ってますけど、こんなことをやってるのは多分自分くらいでしょうね。

     

     

     

     

    リールなんですけど、Hatch fanatic 7 Plus。春先にトラウトでちょっと使ってみて感じ良いなぁと思ってたのですが、今回、サーモンをガンガン掛けてみて、その質の高さにあらためて驚きました。ドラッグの効き出しの滑らかさ、ファイト中のドラッグコントロールのやり易さ、その構造的な強度のためなのかファイト中の安定感がほんと素晴らしいです。リールシートが本体と一体になったアルミの削り出しなので、そのあたりが剛性に関係しているのかも。何とも表現し難いのですが、独特のドラッグの効き方が妙に心地良いのです。ソルト用のリールで、完全シールド仕様なのでインテナンスはほとんど要らないみたいです。サーモンは当分これで行きます。かなり過酷な各社リールのテスト評価レヴューで堂々1位を獲得しているのも頷けます。予備のスプールが欲しいところですけど、スプールも本体も、はっきり言ってお値段は安くないです。それでもこの品質だったら納得。このリールの使い心地を味わったら、ちょっと後戻りできません。ただ用途としてはソルト対象魚か、フレッシュウォターならサーモンクラス、もしくは60センチ級の虹鱒くらいじゃないとその真価をしっかりとは実感できないかも。Hatch fanaticは2 Plusとか小さいリールも出してますけど、小さな魚に対してこの強力なドラッグ機能が必要なのかはちょっと疑問。まあ、商売のラインナップ的には必要なんでしょうけどね。

     

     

     

     

    もう一つ、OPSTのヒップバッグというかタックルバック。ストリーマーの釣りをメインにしてから、現場に持ち込むフライボックスが大きくなり数も増えたので、ベストでは胸がパンパンになりキャスティングの邪魔になってました。それで数年前からSIMMSのヒップタイプのバックを使っていたのですけど、こちらもサイズ的に窮屈になってきたので、適当なものはないかと物色していたところ、このOPSTの商品をフライショップで発見。仕切りが無くて、ドーンと空間があるのが気に入りました。フライボックスの量に応じてトップの口をクルクル巻いてマジックテープで止めるというとてもシンプルな構造。ロングサイズ2個、普通サイズのストリーマーボックスが3個楽勝で収納できます。SIMMSのバックは仕切りが多くて一見便利そうなのですが、それぞれのスペースはかなり小さいです。仕切りが多い分、バック全体の重量も結構あります。フライボックスの収納はラージサイズが2本くらいでしょうか。去年、フライボックスをバックに戻したあとファスナーを閉じるのを忘れて上流に走ったキングサーモンを追って川の中を走ったら、フライボックスがバックから飛び出してドンブラ流れて行きました。幸い下流で釣っていたフィッシャーに拾ってもらいましたけど。このOPSTのバッグはクルクルと巻かなくても口がピタっと塞がる構造でボックスが飛ぶ出すことはありません。バックそのものも軽いですし、とても使い易かったですね。なぜかOPSTにしては値段も安かったですし、色もシンプルな黒で防水仕様。お勧めできます。

     

     

     

     

    フライですが、毎度、代わり映えしません。やや深めのポイントでビードヘッド付きを使うくらいで、あとはアクイセント的につけたチェーンアイとか、ノンウェイトで軽めです。私の場合、シンクイティップである程度沈めた後は、フライはできるだけサーモンの層に漂わせておきたいので、軽めのフライがメインになります。色味はブルー、赤、ピンク、グリーンなど適当。全体的にはブルーとレッドの反応がよかったです。というよりも去年もチャムの釣りで書いたのですけど、Senyo’s Aqua Vell Chenillleという素材を使ったフライの反応が飛び抜けて良いのです。今回もほとんどこれを使ったフライばかり使ってました。この素材、一つの色味の中で微妙に異なる色味を混ぜ合わせてまして、独特のキラメキを醸し出します。この商品のデザイナーは色彩能力高いです。フックは小さめでMustad Nymph Sproutの#6を使い、フックの先端をペンチで内側に曲げてます。これはスレ予防のためで、去年、チャムの釣りでテストした結果、かなり効果があったので、今回、フライはすべてこのように加工しました。今回、40匹以上フッキングしてますけど、スレで掛かったのは2匹だけ。この加工のせいで特にフッキングが悪くなったという印象はなかったですね。引き続きキングとチャムの釣りでも使ってみるつもりです。

     

     


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