サーモンキャンプ 2018 その2

2018.08.24 Friday

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    しっかりと赤系ゾンカーを咥えたシルバーボディのオス。結構なパワー。

     

     

    初日の午後、結局、最初の一匹を釣った後も同じプールで場所を変えずにそのまま釣り続けてました。流れの落ち込みのある上流からフラットな鏡面サーフェイスまでの20メートルほどの間にサーモンの群れが大きく2つのグループに分かれ、それが時々回遊して大きなひとつの群れを形成したりします。フィッシャーが私だけだったので、フライに対して鮮度があったためか、最初の一匹から3匹ほど立て続けにヒット。しかしサーモンとファイトすることでプールが荒れるので、群れ全体が次第にナーバスになってきます。フライラインやフライに対して警戒するようになり、群れは次第に下流へ移動してしまいます。実は一人で釣るよりもプールの上下に分かれて複数のフィッシャーで釣る方が、群れはプール内を回遊してくれるので釣りやすくなるのですよね。フライやフライラインを嫌がって移動しているのに、そのくせ自分の目の前にフライがあると反射的に口を使ってしまうのがサーモン独特の習性で面白いです。

     

     

    釣ってると対岸でサーモンを捕獲した白頭鷲が食事を始めた。

     

     

    一人で釣ってる場合は、群れの位置に合わせてプールを上下に移動して釣ることになります。群れのかなり手前へキャストして、フライだけを群れの中へ流し込めれば理想的なのですが、サーモンがナーバスになってくるとなかなか難しくなります。そんな時は、わざと群れのど真ん中へキャストして群れを混乱させます。左右へ逃げ惑うサーモンが、イラついてなのか、目の前あるフライを攻撃するというか、テイクしてしまうケースがよくあるのですよ。ビリヤードの最初のブレークでポケットに玉を入れる感覚に近いでしょうか。要するに群れの一部のサーモンがフライやラインに驚いて逃げ出すわけですけど、他のサーモンは群れの動きに引っ張られているだけなのです。その引っ張られた一部の中に目の前のフライに対して反応してしまう個体がいるのではないでしょうか。まあ、これはあくまで自分の想像なのですけど。この群れをブレークするテクニックは頻繁にやると効果がなくなってしまうので注意が必要です。サーモンの群れも時間帯によっては回遊状態になるケースがあり、この状態になると比較的釣りやすくなります。プールの適当な場所へフライを沈めておくと、勝手にフライを見つけてテイクしてくれるのです。もちろん、ある程度、活性が高い時でないとそう簡単にはテイクしてくれませんけど。結局、初日の午後は10回以上フッキングして7匹ランディング。順調な滑り出しです。

     

     

    上流部の浅瀬を渡るエルクの若いファミリー。私もここで対岸に渡った。

     

     

    二日目。空が明るくなる朝6時過ぎにはテントをぬけ出して、まずはコーヒー。お湯を沸かしている間にランチ用のサンドイッチを準備します。食欲はまだ無いのでバナナを一本だけ腹に入れて車に乗り込み、川に着いたのが7時過ぎ。昨日釣ったプールを素通りして、そのまま一番コンディションが良かった最上流のプールを目指します。今の所、他のフィッシャーの姿はまだ目にしていません。目的のプールに近ずくと3頭の若いエルクが川を渡ろうとしていました。エルクは鹿の仲間ですが、日本で見る鹿よりもかなり大型で、大きなツノを持つ大人の雄だと優に馬くらいのサイズがあります。一昨年、ここで見た時はその大きさにびっくりしました。

     

     

    対岸に渡った方がバンクが無くてキャストし易い。対岸側黒い帯がサーモンの群れ。

     

     

    このポイントはプールというよりも長めのランで緩い流れがあり、フライをスィングさせての釣りとなります。サーモンの黒い影は上流から下流にかけて帯となっており、多分ホールドされてるサーモンの数は一番でしょう。サーフェースは多少波立っており鏡面状態のプールよりはスプークさせ難くて釣り易いと思われます。釣り方としては、一歩づつステップダウンして釣り下る必要はなくて、とにかくフライを群れの中に流すことに留意します。同じ場所で釣っていると群れがフライやラインを嫌がってスペースが空いてしまうのですけど、その時には次の群れの頭に移動するという感じですね。ここも理想的には適当な間隔でフィッシャーが居て群れが常に移動しているとかなり釣り易くなるはずです。

     

     

    メスといってもひきは強い。海から上がってそんなに時間が経ってない個体。

     

     

    とりあえず群れの頭の上流部に立ち、ほぼ対岸にフライが届く距離までキャストします。90度から60度くらいの角度でややダウンクロスに投げて、フライがサーモンの群れに出来るだけ長い時間漂うようにその角度を調整して行きます。フライがサーモンの上を通過しないようしっかりと沈み切るようにティップを選択します。もしくはフライの重さを変えて行きます。この日はEcho#8のシングルロッド9ft、RioのインタミのScandi body 23ft、ティップは昨日と同じExtra Fast Sinking 10ftのヴァーサティップ、ティペットはフロロカーボンの15lbで2ftというセッティング。この釣りではティップは細めのテーパーが付いてるポリリーダーもしくはヴァーサティップが、いわゆるスカジット用のレベルのティップよりもサーモンをスクープさせないようです。ラインは半透明のグレーで着水するとスッと水を切って水面下に潜り込むので、昨日のコマンドーヘッドよりはサーモンの群れの散り方は小さいように感じます。5投目くらいでしょうか、ラインが群れを通過して、それでも遅れてスィングしているフライが群れの中盤頃にさしかった頃にロッドにモワーとした重みを感じます。ゆっくりとロッドを上げ、合わせると川のボトム付近でキラっとローリングしたサーモンの横腹が見えました。場を荒らさないように、サーモンを早めに群れから引き出して、群れの外でファイトするようにします。シングルハンドといっても#8なので小型サーモンのピンクのハンドリングは全く問題ありません。無事、岸に寄せたサーモンはまだ銀色味をボディに残したフレッシュなメスでした。時間は朝の7時半過ぎ、取りあえず良いスタートです。

     

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